ろ過
砂で水をろ過すると言うのは、古くから行われている方法である。ろ過材は様々なものがあるが、今日でも砂を使うのが最もポピュラーである。ただし、最近では膜ろ過や繊維ろ過が徐々に増えてきている。ろ過装置は使っていると徐々にろ過層が目詰まりしてくるので、洗浄が必要であり、通常は自動洗浄工程を組み込んである。
砂ろ過の大きな分類には、上向流式と下向流式がある。重力に対して上向きにろ過するか下向きにろ過するかの違いである。
大まかな特徴としては、上向流式は、砂層の一番下からろ過して行くので、砂の層の全面が直接ろ過にかかわる。ただし、流速が高すぎると砂の層が浮いてしまい十分なろ過が出来ない。また、通常の場合、洗浄はろ過と同じ向きになるので、下向流式に比べて洗浄を様々に工夫している。
下向流式は、ポンプで圧力を掛けてろ過できるので、通常は圧力タンクの形状をしている。上層面でほとんどのSSが吸着されるので、目詰まりがしやすい面がある。しかし、洗浄はろ過と反対方向の逆洗をかけることが出来るので、洗浄がやや楽である。
どちらも使用を繰り返すと、洗浄では取れない汚泥の粒が砂の間に溜まって来る。これをマッドボールと言う。マッドボールが成長する前に砂の取替が必要になる。マッドボールの出来やすさは油分が多いなど、ろ過原水の水質による。
活性炭吸着
活性炭は多孔質の構造をしており、内部の表面積が非常に大きい特徴がある。その為、様々なものを吸着する。一般的には疎水性のものほど、吸着されやすい。
主成分は炭素で、原料は木材や竹などの植物の炭なども使えるが、多くの場合、石炭を加工し活性化して作る。用途によって様々な加工をする。
通常、活性炭は化学吸着より吸着速度が大きく、使い勝手も良い為、色々な用途で使われる。水処理でも大気処理でも使われる。多くの場合、圧力タンク等に充填し、通水ろ過することによって吸着させる。粉末炭を水中に投下し、混合して吸着させ、後に活性炭のみ沈殿させて分離するという方法が取られることもある。
吸着が限界に達すると破過(飽和吸着)し、それ以上の吸着が不可能になる。従って、活性炭の取替、又は再生が必要になる。
活性炭は吸着物質を限界まで吸着させると再放出する恐れもあるので、破過点まで吸着させる前に取り替えるのが望ましい。
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