DOの管理

水処理.水質

DOは供給された酸素量に対して、消費された酸素量の差です。一定時間で十分に吸収された後の余剰酸素とも言えます。
又はエアレーションタンクと言うブラックボックスに酸素を吹き込み、出てきた値とも言えます。

 

内部の反応が同じ様な動きであれば、曝気槽末端部での余剰酸素分をどの程度見ておけば、良い環境に持っていけるかを探って行く事が出来ます。

 

処理の状態を見ながら、DOをゆっくり変動させ、最適な処理状態になるDOを導き出します。

 

そのために吹き込み風量は、経験上導き出されたDOを維持するように調整します。

 

これによって、流入水濃度の負荷の変動に対して比例した必要量を供給する事が出来ます。又、そのように調整を続けることによって、そのDOに対する生物の秩序が出てきます。
そして、又、処理の変化に対してDOを経験上、導き出すという繰り返しになります。

 

曝気槽での酸素消費は、BOD酸化のための酸素消費及び、硝化反応による酸素消費、そして、微生物の内生呼吸のための酸素消費があります。

 

 

硝化反応を推し進めるには、酸素吸収速度から考えて2r/Lから3r/L程度の槽内DOが必要と言われますが、あくまで余剰酸素ですので、現場に応じたDOを経験的に掴みます。

 

同じ様な操作条件で、突然にDOが上昇するときは、有害物の流入、または硝化の停止、停滞が考えられますので、注意する必要があります。
微生物の酸素消費が一時的に停滞したと言う事ですので、何らかの異常があったということです。

 

逆にDOが突然に低下した時は、腐敗水の流入、硝化の開始などの要因があります。

 

 

酸化不足の原因

 

  • 不十分な酸素供給
  • 曝気時間の不足
  • 有機栄養物が多い場合。
  • 有毒物の存在
  • 流入排水と返送汚泥の腐敗性
  • 汚泥中の油脂
  • 高濃度の合成洗剤(ABS)などの存在

 

 

酸素過剰の原因

 

  • 過剰な曝気
  • 曝気時間の長すぎ
  • 有機栄養素の少ない場合

ORPについて

ORPは単純に言えば、酸化雰囲気であるか、還元雰囲気であるかを示す物です。酸化還元電位と言います。通常はDOの補完として使います。

 

生物処理では硝化脱窒に係る参考指標の一つとされます。もちろん硝化を推し進めるにはプラス側である必要があり、脱窒を推し進めるにはマイナス側である必要があります。

 

硝化を安定的に行うには、プラス100mVから200mVぐらいは必要ですが、流入水は複雑な組成を持っていますので、経験的に判断します。

 

脱窒を考える場合は、マイナス200mV程度が望ましいですが、これも一概には言えません。

 

硝化を推し進める場合、DOとともにORPの管理は重要になりますので、常に観察する必要があります。

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