凝集の仕組み
水中に含まれる粒子のうちの10ミクロン程度のものまでであれば、通常の沈殿装置やろ過などで除去が可能です。それ以下になると次第に難しくなり、1ミクロン以下になってくると、沈降分離は不可能になります。
0.001〜1ミクロン程度の粒子はコロイド粒子と呼ばれます。言わば水に溶け込んだ粒子です。このコロイド粒子に対して凝集沈殿を主に用います。
コロイド粒子はブラウン運動という不規則な運動をしています。また粒子表面には通常はマイナスの電荷があり、お互いに反発しあっていますので、水中で分散状態を保ち続けています。
この電荷はゼータ(ジータ)電位と呼ばれます。通常のコロイド粒子は−20〜−30mXぐらいですが、この粒子に反対の電位を持つ粒子やイオンを添加し、電位を中和することによって、±10mV程度以下にすると、お互いの引力(ロンドン−ファンデルワース力)によって凝集が起ります。
厳密な区分けをしますと、電位を中和してフロックを作るのは、凝結と言います。
その後、高分子凝集剤で架橋凝集(フロックを繋いで大きくする)をします。
また、脱水機で汚泥を脱水する脱水作業でも、凝集処理は要になります。良い凝集があってこその良い脱水です。
ここでは、凝集沈殿や脱水に於ける凝集処理について説明します。