植物の三大栄養素対策
硝化と脱窒(窒素循環)
好気 → 嫌気で段階的に行われます。
硝化脱窒を含んだ処理システムの基礎。
初沈→曝気槽 → 沈殿地 → 硝酸化槽 → 脱窒槽(栄養添加) → 再ばっき槽 →次行程。
好気性で、酸化処理をする(有機態窒素をアンモニアに分解) → 活性汚泥の沈殿 → 硝酸化(酸素の供給) → 脱窒(栄養の添加) → 残存栄養の処理
嫌気好気法とは、混合液再循環法の一種
好気槽で酸化処理と硝化処理を行い、沈殿した汚泥ごと処理水を嫌気槽に返す事により、嫌気槽で脱窒処理を行います(栄養は流入水のBODを使います)。
一般的な生物学的脱窒素法は、この方法になります。詳しくは脱窒処理管理を参照してください。
硝化
硝化行程は、通常は亜硝酸化、硝酸化の順に進みます。
アンモニア酸化細菌(亜硝酸菌)、亜硝酸酸化細菌(硝酸菌)が関与します。これらは独立栄養細菌です。
NH4→NO2→NO3
こう言う順番で酸化されて行きます。硝酸化。PH低下。
独立栄養細菌とは、自分自身で生活のエネルギーを作り出す細菌です。亜硝酸菌や、硝酸菌は、酸素を窒素にくっつけることによりエネルギーを取り出し利用します。
植物も光によってエネルギーを作り出す独立栄養生物ですが、硝化菌や亜硝酸菌も同じように優れた資質を持っています。ただし、植物を参考にして貰えば良いのですが、どうしても効率的ではありません。
活動性や成長は遅くなります。亜硝酸菌等も同じく、増殖が遅く成ります。また、活発に酸化細菌が働いていて、酸素利用をしている時は、酸素利用があまり出来ません。
それに対して従属栄養生物(動物や酸化細菌)は、他者の作り出した栄養を利用します。ある意味合理的で、活動的です。
脱窒
脱窒行程は、通常は硝酸化の後に行われます。
硝酸還元菌、脱窒菌が関与。通性嫌気性細菌。
通常は嫌気性(正確には無酸素状態)で行われます。NO3の酸素を呼吸の為に使います。
酸素が存在すると、酸素呼吸が硝酸呼吸に優先して起るので、無酸素に近い環境にあることが大切です。基本的には0.2mg/l前後で酸素呼吸に移ります。しかし、混合液の組成や脱窒菌の種によっては、0.5mg以上あっても脱窒が起ることもあります。
脱窒素を起こす細菌の種類は多く、普通の酸化細菌の内、通性嫌気性のものが脱窒素菌とも言えます。ちなみに大腸菌も脱窒素します。
ですから、活動には有機物が必要です。有機物は水素誘導体になります。
最終的には、NO3+H→N+H2O(2NO3+6H2→N2+6H2O)実際は段階を踏みます。
PH上昇。
脱燐
生物学的脱燐。燐の除去は、汚泥への取り込みで行います。(元素である燐を無くすことは出来ません)
有力な仮説の範疇。
ポリ燐酸含有細菌(ポリ燐酸+ATPはエネルギー源)が嫌気状態に置かれると、オルト燐酸として、燐を吐出します。
有機物の添加があると加速されます。エネルギー源として利用され、加水分解されます。多くの種類の細菌群です。
好気状態に置かれると、取り込まれた有機物が酸化され、細胞内ATPの生成とポリ燐酸の合成。放出された燐や排水中の燐が取り込まれます。
放出された燐の4から5倍の燐が菌体に取り込まれます。
嫌気→好気、行程で行われます。