各増殖期での微生物による酸化と同化
初期吸着、対数増殖期、体内呼吸期の順に処理が進みます。
対数増殖期
有機栄養物と浄化微生物の比率の高いときに起り、その増殖速度は活性汚泥微生物量について、一次式で表され、この期間では活性汚泥はエネルギーレベルが高いので、フロックを形成しないで、分散する傾向にあります。
減衰増殖期
有機栄養物(基質)が減少するに従い、微生物の増殖は制限され、増殖速度は残存有機物濃度に比例し、BOD除去速度が一次反応式で表され、この時期の終わりに近づくにつれて、活性汚泥は次第にフロックを形成する傾向が出て来ます。
体内呼吸期(内生呼吸期)
有機栄養物が少なくなってくると、次第に微生物の体内呼吸が顕著になり、細胞増殖が停止して 汚泥の蓄積はほとんど無くなり、有機物を完全に酸化して、汚泥のフロック形成と有機物吸着能力が著しく高くなります。このときに単独に浮遊している細菌は、汚泥表面に生息している原生動物に捕食されて、処理水は清浄化されます。
酸化と同化
ちなみに酸素利用速度は、対数増殖期と減衰増殖期の変曲点の少し手前で最大となり、有機物の酸化速度は最大になります。
なお、反応槽内の活性汚泥の凝集、吸着と酸化は適当な平衡状態にある必要があります。
吸着に比較して、酸化が遅すぎる場合は、汚泥フロックが軽くなり、沈殿しにくくなります。
吸着に比較して酸化が進み過ぎる場合、汚泥フロックが破壊され、小さくなり、このフロックはよく沈殿しますが、小さなものは沈殿しにくく、吸着力も弱い為、処理水は完全なものにはなりません。
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