MLSSの管理

分析

MLSSは流入水の負荷量に応じて調整を加える物です。

 

BOD-MLSS負荷と、処理状況を参考に最適なMLSSの水準を探り、MLSSを一定に保ちます。ですから、第一に処理を満足させるためにMLSSが決まります。

 

その処理に必要なMLSSを系内の全汚泥量でまかなう為には、安定的な処理水の流入が必要です。
そして、安定的にMLSSを維持するためにも汚泥引抜は少しずつ行う必要があります。

 

流入が平均化されていない場合、MLSSの水準によっては、汚泥流出の怖れもあります。
汚泥の動きの偏りのためです。
また負荷変動はSVIを高くします。BOD-MLSS負荷との兼ね合いで最適なMLSSを維持するようにします。

 

温度の変動によって生物活性は変わりますので、季節的な要因によってもMLSSを調整します。
実際の活性汚泥相当分はMLVSSに含まれますが、その割合も季節的な変動が大きい物です。
一般的には冬季に増大させ、夏季に減少させます。地域的な特性が大きいので、経験的に掴みます。

 

 

硝化の汚泥管理

 

硝化を重視するためには、少なくとも3日から5日程度の汚泥日齢は必要です。余裕を見れば20°Cで7日以上は確保したいものです。

 

また、一日の流入BOD0.3sに対して、曝気槽内に約1kgのMLSSは必要です。しかし、これも季節的な要因、温度の要因が大きいので、それらを考慮します。

 

処理水温は、亜硝酸菌の活性に大きく影響し、最適水温は35度近辺にあり、15度以下では急激な活性低下を示します。

 

亜硝酸菌の増殖速度はBOD酸化微生物に対して非常に小さいので、硝化工程からの汚泥排出速度が大きいと、系外に洗流されて硝化が停止します。一日で一分裂する程度です。

 

ちなみに硝化菌の増殖速度はさらに遅く、二日で一分裂程度です。これらはBOD酸化細菌の十分の一程度ですので、汚泥日令、SRTなどに注意します。

 

ですから、余剰汚泥引抜量は、その条件を満たすように調整する必要があります。


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