水質管理は水商売です

水処理.水質管理

30年近く水処理の水質管理に携わってきました。
水質管理が日本で職業として確立されているかと言えば、何とも不確かです。水処理施設管理の範疇ですが、微妙な立場で、要するに何でも屋になりがちです。

 

どんなお仕事をしていますかと、聞かれると答え方が微妙です。
水質分析ですというと、それもしますけど、それはついでにやっているって感じで、正しくはありません。水処理というと、確かにその通りですが、漠然としすぎですし、一般の人には分かりません。

 

面倒なので、シャレで水商売って、言うことがあります。

 

はあ、そうですかって言う感じで、誤解されたまま、話が終わりそうになりますので、いえ、実はこういう仕事でうんぬんという感じです。

 

でも、今は本当に水商売かなって思います。

 

水質管理は、大部分を浄化のための微生物の管理に費やします。不安定で不確実な接客業です。水商売には、泥水商売という語源もあるそうで、まさに泥水稼業です。


地球環境

水処理.水質管理

やはり大切なものは、水と空気です。
水と空気を人を始めとして、この地球の生物のすべてが日々その体内に取り入れ、そして、生命活動を育ませています。
その生活活動に寄って、水も空気も変化し、それを又別の生物の活動に寄って元に戻されます。
地球は生命を育みます。そして、生命によって環境は保たれてきました。

 

ところが大きな変化が訪れます。
人が地球生命の協調活動を逸脱してしまったのです。人は文明を作り、多くの個体を増やしました。その結果、環境を破壊し、他の生命を生存の危機まで追いやりました。

 

もちろん、こんなことは言うまでもありません。そして又、言うまでもなく、今度は人が地球環境に対して責任の一端を追うことになったのです。ですから、これは必然です。
水や大気を汚すなと言っても、無理があります。今更人口を大幅に減らすことは出来ません。原始の世界に戻ることも出来ません。
それならば、人が環境の安定に手助けするしか無いのです。

 

しかし、人の活動にはコストというものが付いてきます。そして、コストを掛けると言うことは、別の事での地球環境の破壊に繋がります。薬品を使って水を綺麗にすれば、その薬品を生産するために石油を使い、残存物質がまた汚染します。

 

要はバランスなのです。その時代、時代で、もっとも重視するものを減らし、又は取り除きます。そして、出来るだけコストを掛けず、環境に対する別の負荷を掛けない方法を探ります。

 

その意味で、もっとも良いのは、生物の力を借りることです。今まで浄化を担ってきた生物を手助けしていくのが私たちに出来るまず始めのことです。

 

風の谷のナウシカと言うアニメ映画がありましたね。汚染した腐海を浄化しているのは、人が忌み嫌う他ならぬ虫たちだったのです。どんなに技術が進んでも、人はひとりだけでは生きられません。そして、人類は、人類だけでは生きられません。


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